椎間板は椎体と椎体の間にある円板状の軟骨のことで、背骨（脊柱）に加わる衝撃をやわらげるクッションの役目をしています。
椎間板には、中央にゼラチンのような柔らかい弾力性のある髄核という部分があり、その周辺には、比較的かたい繊維輪という軟骨に幾重にも囲まれ、脊柱に上下から加わる力を均一に分散させ、衝撃をやわらげています。
20歳代になると、椎間板の変性が始まり、繊維輪の弾力性がなくなり、亀裂が生じ始めます。
一方、髄核は、まだ水分を十分含み弾力性が保たれている為、椎間板に強い力が加わると椎間板内部の圧が一時的に上昇し、繊維輪の亀裂から髄核が押し出されます。
この状態を椎間板ヘルニアと言います。
繊維輪の亀裂は、抵抗の弱い後側方（後ろわきのあたり）や後方に生じる事が多く、そこには脊髄や脊髄から分かれた神経根がある為、それらが脱出した髄核によって圧迫され痛みなどの症状が起こります。
腰椎椎間板ヘルニアと頚椎椎間板ヘルニアに分類されます。
多くの動物は脊椎を重力に垂直にして生活しているのに対し、人間は二足歩行である為に、脊椎は重力と平行方向になります。この為、立位では椎間板に多くの負荷がかかることが原因となります。
また、最近の研究では、腰椎椎間板ヘルニアの発症原因の一つとして、遺伝的要素がある事もわかりました。
自己判断で安易に間違った治療は、症状を悪化させます。
専門医による検査及び治療が必要です。早期の治療は、治りを早めることが期待できます。
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